肩のスポーツ障害・外傷

スポーツ等の競技によって発生したケガのことはスポーツ外傷と呼ばれます。骨折や脱臼、靭帯損傷などがこれに当たります。
それに対して、ケガと言うよりも、いわゆる故障と呼ばれるものをスポーツ障害と呼んでいます。
スポーツ障害が潜在しており、これが原因となって外傷を生じるというような、両者に密接な関連のあることもよくあります。
以下の原因が考えられます。

肩関節のスポーツ外傷・障害の主な原因

  • オーバートレーニング、オーバーワーク
  • 体の柔軟性・関節の機能低下
  • 技術的な不備
  • 指導者や親の管理不足
  • 強い外力による肩関節の損傷

オーバートレーニング、オーバーワーク

練習・休養・栄養がバランスを崩すことによって引き起こされます。
通常、練習やトレーニング後の十分な休養,栄養をとることによって損傷した筋肉は回復し、以前より高いレベルに達します。しかし、運動強度や頻度,時間過多になると、各要素のバランスが保てなくなり、筋組織は回復せず、競技パフォーマンスは低下していきます。
そのために体の機能が十分に発揮できず、無理な動きにより怪我をしてしまいます。

起床時の心拍数や練習10分後の心拍数が明らかに高い場合や、睡眠障害、食欲低下が認められる時は、オーバートレーニングの可能性が高いです。

体の柔軟性・関節の機能低下

先頭で述べたように、胸郭、体幹、股関節などの機能や柔軟性が低下すると、肩に負担がかかり、怪我をしてしまいます。

 機能的な体を作る・・・目的の動作を迅速に遂行でき、さらにその能力を断続的に発揮できる。
 筋のアンバランス防止・・・運動特性の理解、オーバートレーニングの防止、偏った筋力強化の防止、ケア不足の防止
 身体の協調性の向上・・・安定性と可動性があって初めてその能力を発揮できる。

技術的な不備

投球フォームやトレーニングの方法等の指導者がいない。

指導者や親の管理不足

特に小中学生では特有の怪我があるので、痛みを訴えるときは必ず病院に行き、安静が必要なら
必ず守ってください。無理をさせていいことは何もありません。


投球障害の病態と治療

肩関節のスポーツ障害は、投球動作などのオーバーヘッド動作やコンタクトスポーツにて生じることがほとんどです。
その中でも、オーバーヘッド動作は、下肢・体幹から起こるエネルギーを、上肢に伝える全身運動であるので、下肢・体幹の柔軟性の低下や、体幹と上肢の連結部である肩甲胸郭関節の機能低下は運動連鎖の破綻を招き、「肩甲上腕関節(肩関節)」に過剰な負荷がかかるようになり、肩や肘の障害が発生する原因となります。

要するに、胸郭、体幹、股関節などの機能や柔軟性が低下すると、肩に負担がかかり怪我をしやすくなります。
以上より全身のコンディショニングは、肩関節のスポーツ障害を予防する上で必須となります。

なぜ障害がでやすいのか

投球、投てきや水泳、バレーボール、テニスなど肩に力がかかるスポーツで使いすぎにより肩痛を来すことがあります。これを投球障害といいます。

病態

:①上腕骨骨頭を肩甲骨の関節窩の中心に保つ役割(固定性)
②肩甲骨の関節窩を運動方向に向ける役割(運動性)
この固定と運動の2点のどちらかが破綻した時に、微小な損傷が関節内に繰り返し起こり発生します。
よく見られる疾患名として

野球

腱板疎部損傷、腱板炎、不安定肩関節症、上腕二頭筋長頭腱炎、腱板不全断裂、関節唇損傷、SLAP lesion、上腕骨骨折、Bennett骨棘、little leaguer’s shoulderなど。

バレーボール等

腱板断裂、インピンジメント症候群、上腕二頭筋長頭腱炎、肩甲上神経障害など。

ただ、結果として損傷や障害が認められるだけなので、根本的な原因を治療しないと改善しません。

治療

ほとんど手術は必要としません。
保存療法として
①インナーマッスルの強化
②全身の柔軟性の獲得、バランスのとれた筋力強化
上記改善はもちろん必要でありますが、肩に負担をかけない体作りが重要です
例えば投手の例です。

投球フォーム4つの相

図のように投球は大きく4つの相に分けられます。
体の連動性がなければ、力強い球が投げられませんしインナーマッスル強化のみではかなり不完全であることがわかります。
初心者は、ほとんどがWind-up期に問題があることが多いですが、はっきりとしたメカニズムは解明されていません。しかし、結果としての病態は各相によって異なることが多いので、各個人によって指導法が異なります。