肩関節

肩関節とは

はじめに、人間の肩関節の形態は二足歩行へと進化したために変化しました。
それによって、より多く肩関節を動かせるようになったのですが、その代償として安定性を犠牲にしてしまい、他の関節とは違った怪我や、疾患が生じるようになりました。

肩関節は図1のように、肩甲骨、鎖骨、上腕骨の3つの骨から構成されています。

肩甲骨、鎖骨、上腕骨

これらの骨によって形成される「肩甲上腕関節(一般的に肩関節)」、肩峰下関節、肩甲胸郭関節、肩鎖関節、胸鎖関節からなる複合関節で、人体の中で最も広い可動域があります。
その中でも上腕骨と肩甲骨からなる「肩甲上腕関節」は、上腕骨側の丸い骨頭と呼ばれる部分と、肩甲骨側の臼蓋と呼ばれる受け皿から成り立っているのですが、かなり不安定な状態です。
わかりやすく例えるならば、ゴルフボールを乗せるピンのような台(臼蓋)の上に、ボール(骨頭)を乗せているような状態です。これを安定させているのが主に腱板と呼ばれる腱(インナーマッスル)、関節包、靭帯です。
そのため、その一部が損傷し機能を果たさなくなりバランスが崩れることによって、痛みが出現することがあります。

また、肩関節は、肩甲上腕関節は周囲をインナーマスッル(腱板)とアウターマッスル(三角筋等)に囲まれ、その土台である肩甲骨は胸郭上で主に筋肉により支持され、運動機能に影響を最も大きく受けます。
そのバランスの保持は肩甲上腕関節のみならず、胸郭、体幹、骨盤、股関節等まで及び、どこかに異常があり、バランスが崩れるとたちまち肩関節の運動機能が低下し、肩関節に痛みが生じる可能性があります。

要するに、肩甲上腕関節は人体の関節の中で一番動きやすいため、他の関節の動きが悪くなると、そのことを補おうとしてストレスが集中してしまうためです。

肩はこのような大きな可動性を有する代償として安定性を犠牲にしています。

現在、肩の痛みが半年以上続いている人は、接骨院等ではなく、肩専門の整形外科医の診察を受けてください。
長期間にわたって痛みが続いている場合、思わぬ疾患が隠れているケースがあります。
また、長期間放置した後に手術に踏み切っても、改善はするものの十分な機能回復が望めないこともあります。